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01年05月更新

 いやあ、もう、びっくりした。
 何がって、日本推理作家協会賞の受賞。
 面白かったコトの顛末は以下に書くとして、ほんとうにあんなに大きな賞をいただけるなんて思ってもみませんでした。 ずっと憧れていただけに、いざ現実になると信じられないような気持ちです。
 サイトの再デザインにかまけていられたこの一ヵ月は、殺人的に忙しくなる今後の「お休みの前払い」だったのかも。
 さあ、これからが大変だ〜っ!

格闘!スタイルシート

 ご覧のとおり、やり直しました。どうですか?
 どうも前回のは垢抜けない感じがありました。改めていろいろな参考書や関連サイトを見ると、なんとHnタグにもボーダーを設定できるではありませんか。そうです。私はそんなことも知らなかったのです。とほほ。
 NCとIEを共存させるむつかしさをまたもや痛感しながらも、楽しく作業できました。DIARYとFANMAILの別建てCSSも一本化できました。オーサリングツール(ホームページ作成ソフトをそう呼ぶらしい)に頼りきっていて肥え太っていたHTMLやCSSはこのさいバッサリとダイエット。無用な指定がたくさん残ってて我ながらびっくり。あー、すっとした。やっぱり最後はテキストエディタでタグを書いていく、というのが正しいみたいですね。
 私はずーっと「NCでは何ができないか、何が違うか、を知りたい」と言い続けてきました。でも、要するに腰を据えて勉強すればあちこちに書いてあったわけだ。時間は食ったけれど、ワケワカラン状態を脱して気分的にはホントにすっきり。
 お世話になった参考図書は、翔泳社の「スタイルシート辞典 第二版」。勉強させてもらった参考サイトおよびページは「HTML鳩丸倶楽部」、「outsider reflex」、「三日坊主++の部屋」、「CSSの実際のところ」、「CSS1テスト集」、「ブラウザCSS対応テスト」、「Green Agora」 です。
 特に、NCにおけるCSSの反映状況を実際に見せてもらえるサイトは重宝しました。こういうのって、私が悪いのかNC4がそもそも悪いのかが判らなくて不安だったんですよー。
 ウェブの親切な先達たちに深く感謝しています。

早くも挫折?モバギで日記

 楽しい楽しいサイト作成作業。でも、寝ても覚めてもそればかり考えていたので、ついつい日記がおろそかになってしまった。もしかしたら5月に入ってから書いてないんじゃないかな。
 だいたい、デスクトップ゜の電源を落としてから、寝床の子供の横でペチペチ書くのが常なのだけれど、最近は頭がくらくらするまで調べものや作業をしていたので、その気力が残ってなかったのです。
 どんどん忘れていく「その日」のできごと。特に私のようにめったに事件のない平々凡々な毎日を過ごしている人間にとって、ちょっとした出来事はすぐに過去の中に埋没してしまいます。さあ、今から追いつけるか?

パルケ・エスパーニャ、二回目

「たのしかったねー。また行きたいねー。パパにお願いしなくちゃー」の娘は、まんまとパパを懐柔して2度目の「すぱーにゃ」を楽しみました。
 今回は「ひまわりの湯」という温泉もできていて、お婆ちゃん(私の実母)も一緒。晴れ女たる娘の面目躍如能力全開意地でも遊ぶぞの気迫によって、奇跡的に雨の上がった二日間でした。
 前は嫌がっていた船のライドもやっと乗る気になってくれた……のはいいけれど、やっぱり怖いのか、乗り場への通路を歩く最中に「おもしろかったよ〜(涙)」と、もう終わったかのような感想を連発するのがかわいい。本当に終わった時には「こわくなかった(小声)」と言ったので、まあよかったのかな。
 生まれて初めての花火は眠いせいもあって呆然と見ていました。また行こうね!

9日、推理作家協会賞の顛末

 宴会に飢えていた。
 京都にこもって育児に追われて、訪ねてくれる人も電話をかけてくれる人も滅多になく、日々寂寥の毎日を送っている私にとって、推理作家協会賞の待機は久々の上京であり久々の宴会予定だったのです。
 賞の候補になったことはもちろん嬉しかったです。会報にしては時期がおかしいと思って開けた封筒からソレが知れた時には「えっ!」と叫んでしまいました。それくらい私にとっては憧れの、大きな賞だったのです。
 でもホントのところは、そこまでで満足でした。詳しいことはSFMにも書きましたが、素直に書いた直球勝負の「SF」、SF界では「SFが読みたい」で身に余るご高評をいただいた作品を、「推理を中心としたエンターティメント小説」という大きな括りで一度評価されてみたかったし、それは候補に挙がった時点で叶えられたも同然で、大沢在昌さんをはじめとする名だたる選考委員の方が私の作品を読んでくださる機会を与えられただけですでに充分に幸せでした。お読みになっている限りは後から講評で「どうだったか」を知ることができますから。
 ご推薦くださったみなさんありがとう、と感謝し、いいことが続くなあと嬉しくなり、私はちょっぴり気が大きくなって待機を言い訳になんと5年ぶりに外出用の服を買って、もうそれで私のお祝いは終わっていたのです。
 なので、何の気構えもなく、子供の尻を追い回して新幹線にギリギリで滑り込み、そのまま早川書房1Fの「クリスティ」で幸せ〜なダベリングタイムに突入していたワケです。こんな機会はもうないかも、と、待機の様子を写真に撮ったりして楽しんでました。
 ところが。5時に結果が判明するはずなのに、なかなか携帯電話が鳴りません。私は早くさっぱりとした気分で用意していた「残念会」に臨みたくてうずうずしていました。もちろん、何かあったのではと緊張もしてきます。落ちた人への連絡を忘れられているんじゃないだろうかと思ったりして。
 電話が鳴ったのは、記者会見の予定時間も迫った6時前でした。

「推理作家協会の事務局ですが」
「あ、はい。お世話になっております」(事務局からの連絡ってことは落ちたってことだな。はいはい)
「たいへんお待たせして申し訳ありませんでしたが」
(「が」と来たな、「が」、と。お待たせした「が」落ちちゃったってことだな。はいはい)
「OTORININARIMASHITANODE」
(1秒間考える。OTORINI……おとりに……お獲りに?)
「えっ、ほんとですか!」

 その「えっ」は「ゲッ」の発音のほうが近かったかもしれない。「ほんとですか」は言った覚えはないけれどダンナの証言に依った。
 続いてのダンナの証言。
「ボクなぁ、電話が鳴った時、どうやって慰めようか一生懸命考えてたんや。またの機会もあるやんか、とかなんとか。みんなもそうやったと思うで。あんたの第一声聞いた時も様子が判らんでなあ。えっ、ほんま、これ、これって獲ったってこと? て、顔見合わせてたんや」
 周囲からの拍手が湧いたのは、私がすでに話を進めて記者会見場を確認している時だった。遅いっちゅーの。いやしかし一番ネコダマシをかっ食らってびっくらこいてたのは私自身だったので仕方がないか。
 頭が真っ白な私に「おめでとー」と拍手してくれる娘。うるっとしかけた直後、「はっぴばーすでー」を歌われて笑ってしまう。惜しい。ちょっと違ったね。誕生日よりもうんと嬉しいんだよ。
 上のフロアから早川の役員さんお二人もわざわざ降りていらして、さして大きくない私の目が丸くなり、ついでに背中も恐縮で丸くなる。喉の奥まで「S澤さんの功労に免じてフレックス勤務にしてあげてください」というセリフが上っていたが、場にふさわしくないだろうとぐっとこらえる。
記者会見 しかし……待機記念の写真を載せるはずが、記者会見写真をお見せすることになるとは。こうして貼り込んでいる今も信じられません。
 何の準備もしていなかった私は、ハンドバッグも持ってなくてマザーズバッグのベルトポーチで会見場に乗り込み、手持ちの名刺がすぐに切れ、頭が真っ白で急を聞いて(?)駆けつけてくださった各社担当さんにもろくろくご挨拶が出来ない始末。
 S澤さんなどは予定外のことにすっかりうろたえてしまわれて、記者会見場にカメラを持っていかなかったのだとか。うんうん、ほのぼのしたいいエピソードだ。今度SFMに掲載される写真は、みーはー根性丸出しで持って行った私のデジカメの画像です。
 会見の後、大沢さんや西木正明さんたちとご一緒させていただいて、銀座のクラブへ。緊張しました、「銀座のクラブ」ですもん。そこへ有名な作家の方々が次々にお見えになるんですもん。正面にお座りになっていた大沢さんに、「ハンドバッグも持ってなくて」としどろもどろの言い訳をすると「あ、ほんとだ。ミキハウス」とベルトポーチを指差されて、これもまたなんとなく恥ずかしいやら幸せやらの複雑な気持ちがしたりして。
 ただ、大森望さんによると、私は緊張のあまり保身に走り、作品へのご質問に対するエラソーな言い訳をしていたのだとか。赤面。あー、そんなつもりじゃなかったんだよー。ほんとに緊張し切ってて、なんかちゃんとしたことを言わなくちゃと焦ってただけなんだよー。
 北方謙三さんに花束を渡していただいて、緊張もピーク。かねてより準備してもらっていた「旧名称・残念会」へ戻ったのは、9時頃だったでしょうか。
 kashibaさん@猟奇の鉄人にもようやくお目にかかれる。想像通りのお優しそうでユーモアたっぷりの方でした。彼にはこれまでの御礼とご結婚のお祝いに「推協賞待機」というシチュエーションをプレゼントしたつもりだったのに、本体よりも大きなオマケがついて、なんだか食玩のようになってしまいました。お気に召していただけましたでしょうか>kashibaさん
「旧名称・残念会」のシメはS澤さん。「どうもありがとうございました。私もおろおろしてしまいまして……」。ああ本当に正直ないい人だ!「獲ると思ってました」なんて歯の浮くようなことを言わないのが素敵。
 緊張とドタバタで純粋な宴会の楽しみは味わい尽くせなかったけれど、本当に生涯の思い出になる一夜でした。
 これまでご支持くださった皆さん、ほんとうにどうもありがとうございました。これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

GAINAX宴会

 11日金曜日、急遽、GAINAXでもお祝いをしていただけることになりました。
 直前に打合わせをしていたS社のHさんと連れ立って、会場の「つるかめ」へ。ネーミングだけで店を選んだな、ダンナは。
 ペンシルビルですが中は日本ふうのつくりで素敵なお店でした。食べ物もおいしくて、これでもかという量が出てくる。
 ただ、靴を脱ぐ形式なのにトイレに立つには狭すぎる間取りで、「ちっち」を連発する娘のアンパンマン靴をHさんが履かせたり脱がせたりしてくださるので恐縮でした。
 ほんとうに久しぶりに庵野さんとゆっくり喋れたのが嬉しかった。会社にいても建物が違うのでなかなか会えないんだよね。
 待機の時からずっと子守りをしてくれたS藤さん、日常的にダンナのお守りをしてくれているS石さんをはじめ、GAINAXのみんなも喜んでくれるのが私も嬉しかったです。

大森邸訪問とTDL

 大きな賞を獲っても、新聞に載っても、ラジオで名前が流れても、ハハであることには変わりありません。おむつを換えて、歌を唄って、踊って、喋って、叱って。
 今回の上京ではぜひとも「ゆっくり買い物!」と思っていたのに、誘うたびに「ここ(GAINAX)、いいのー」しか答えてくれず、ついに果たせず。あーあ。
 一方娘は予定通りのイベントをこなす。13日、ついにディズニーランドデビューだ!

モンちゃんと時央くんのお姿+悠乃

 西東京方面へ行くのなら、まずはなんといっても大森時央クンのお祝いに馳せ参じなければ。
 赤ちゃん大好きな娘にとって、藤原ヨウコウさんのお宅のあかりちゃんに並ぶ魅惑のイキモノ。撫で回す、つっつく、語りかける、と、娘ご満悦、時央くんごめん、赤ちゃん当直明けの寝不足パパにはもっとごめん、な時間でした。
 途中から堺三保氏も加わり、昼食。寂しい発言だとお思いでしょうが、ほんとうに私にとっては知り合いと喋りながらご飯を食べる至福に勝るものはないなあと思ったのでした。
 時央クンはかわいかったよ! パパそっくりでオカシイ。パパがいかにも「かわいーなー」って感じでちょっかいを出しているのを見ると、毒舌のオオモリノゾミとこの新米パパは別人ではないだろうかと思えてくる。周囲がつい頬笑んでしまうほどのいい光景でした。
 ああ、ほんとうに満足だー。娘が新生児の時はNICUで一日15分しか会えなかったので、他の人の赤ちゃんでダッコ欲を満たしました。またダッコさせてね、大森さん&モンちゃん。
 しかしこの写真の後、ジャンパースカートもブルマも脱ぎ捨てなければならない大惨事が起ころうとは、このとき誰も予測していなかったのであった――。

 TDLは平日にもかかわらず思った以上の混雑でした。東急ホテルにチェックインしてバスでゲートへ。バースディの機関車パレードに間に合ってほっとして、バギーの娘を見ると、眠そうに前に傾いている。花火を見せるのが目的で遅ガケにしたけど、ちょっと疲れたのかも。でもパレードは「たのしーねー」を連発していて上機嫌に戻ったのでよしとした……矢先。ぷわんとアレの臭いが。
 パレード終了後、慌てて子供用の施設に駆け込む。このとき、ベビーベッドではなくまずトイレを目指したのは天の啓示だったのかもしれない。
 脱がせようとすると、なんと、ゆるめのヤツが背中まで回っていた。ああああああ。
 第2弾がお出ましになったのか、脱がせる時にはブルマにまでべったり。ああああああ。
 トイレの順番待ちのお母さんがたに謝りながらも、もう何から手をつけていいのか判らないヒドさ。汚れ物をビニール袋へ入れ親のカタキをくびり殺すかのように口をギューーッと縛る。お尻を足を背中を拭きまくりつつ、私が思ったことは「受賞なんて、受賞なんて、受賞なんて」と……。
 贅沢な話で、読んでイヤな気持ちになる人がいるのも想像できるが、心の底から、立派な賞を受賞しても母親業の過酷さには役に立たないんだなあとしみじみしてしまったのでした。
 トイレトレーニングに四苦八苦している最中なので、絶対に娘を叱ってはいけない。なので、「お腹すっきりしたねー」と言うと、さっぱりした娘ははやご機嫌サン。まあ、その顔で報われるからいいか。
 あとの時間はブルマの代わりのズボンを探し回ったり(オデブなのでサイズがむつかしい)、姫様ご執心の限定発売「プーさんのハニーポップコーン・容器・ストラップ付き」に並んだりで、ほとんど何も見られませんでした。娘とパパのほうも人が多くてたいへんだったとか。かろうじてイッツ・ア・スモール・ワールドに入ったくらい。
 娘は腹の上にポップコーンの容器を抱え込み、本物のプーさんが蜂蜜を舐め続けるように際限なく食す。その姿勢のまま15日を最後になくなるファンタイリュージョンを見て、花火の中止にがっかりし、チキルームに滑り込み、ねむねむの娘を連れてホテルへ。
 今度は平日の昼間から行っていっぱい遊ぼうね。
 その夜、夕食を食べそびれたまま寝た娘を横目で見ながら、両親は豪勢なルームサービスを取ったのでした。それが一番楽しかったなあ、私は。この前にビールを飲んだのって、いったいどれほど昔だろう……。

そういえば

 前回の日記を見たダンナは、なんと総額1万円を超えるゴディバを用意してくれていました。これはきっと「残念賞チョコ」にするつもりだったに違いない。めでたく「お祝いチョコ」に化けたそれをパクつきながら、これから授賞式までの一ヵ月は慌ただしくも幸せだろうなあとの予感を抱いています。
 いまも家の中にはお花がいっぱい。
 プレッシャーに負けないよう、でも頑張ってキリキリと仕事しますね!


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