数あるアメリカのコンベンションの中でも、最もワイルドな「PROJECT A-CON」。
 テキサス州ダラスの広大な、書き割りのような背景のもと、次々に集まってくるテキサス野郎にお姉ちゃん。
 酒とタバコとステーキが飛び交う中、我々の闘いは再び始まる(笑)。



 全く、我々ときたら全然緊張感が無い。旅支度を始めたのも、出発当日の未明であった。
 もっとも、妻の体調が優れず、パッキングが出来なかったせいなのだが。
 妻のパッキング技術は天才的なものがあり、大量の荷物もホンの小さなものになる。自分だとトランク数個になりそうな荷物も、妻の技術によって、トランク一個と、小さなダンボール箱二つ、そしてかさばるコスプレ衣装のバッグとなった。
 でも、自分たちの荷物だけだともっと少なくなるんだよね。この機に乗じて、あの人へのお土産を持っていって、というのが多くて。しかも帰りにはアレを買ってきて、とか、運び屋に利用する奴が多いのだ。
 自分で持って行って、自分で買ってこい(怒)。
 しかし、である。コンパクトになったとはいえ、これを持っていつものごとく溝の口の駅の階段を昇るのは不可能。そこで特例として、箱崎にあるTCATまではタクシーで行く事にした。

 やがて夜は明ける。
 ほんの二か月前にアメリカのコンベンションに行ったというのに、再び渡米する我々。
 今回は、テキサス州ダラスで行われる「PROJECT A-KON」というコンベンションのゲストである。向かうメンツもすっかり定着した顔ぶれで、一本木蛮を筆頭に、自分と漫画家の通称よーこちゃん、そしてバカ漫画家の加藤礼次朗、通称・礼ちゃん。
 今回アメリカに向かう便は夕方発。しかもTCATに13:30に集合という余裕の集合。我々はタクシーで12:45頃出発。ちょっと遅れるかな、とは思ったものの、ガラ空きの首都高に助けられ、余裕の到着。でも、すでによーこちゃんは来ていたのであった(^^)。
 集合時間に遅れる事数分−−礼ちゃん到着。
礼ちゃん「・・・終ったよ」
自分「へっ?」
礼ちゃん「仕事。ようやく終ったよ。いつから寝てないかなぁ・・・
 礼ちゃん、髪ボサボサで、いかにも〆切り明けの正しい漫画家の姿(笑)。しかも、持っていく荷物が多い!! 礼ちゃん、キミもか。
 そしてチェックインし、急いでリムジンに乗る。リムジン、満員。しかもカウンターの話では、飛行機も満員。昨年の夏に「OTA-KON」に行った時の悪夢が蘇る(参照のこと)。
 
 さあ、成田空港第一ターミナルに到着。
 箱崎で大きな荷物は預けてしまったので、身軽に動けるぞ。
 と、普通ならここで、そこらの旅行者と同じくテキトーなレストランでも入るところだが、今回はあらかじめ妻が発見しておいた格安の食堂に行く事に。ここは空港関係者や見学者が主に利用するところなのだが、まるで学食のようなノリとメニュー。特に妻は「空港そば」という一品に魅せられたようだ(笑)。
 結局、よーこちゃんのみソフトドリンク、あたしはカツカレー、妻は肉うどん、礼ちゃんはねぎラーメン、そしてそれぞれビール。セレモニーの如く乾杯して食していると、あら、時間がなくなってきた。慌ててあたしと妻は両替と買い物に行き、早々にイミグレーションへ。満席の機内に入り、あとは食う、飲む、寝るの繰り返し。礼ちゃんとよーこちゃんは始めての某エアラインだったが、そのあまりの機内食のまずさに感動していた(笑)。
 約12時間後、シカゴのオヘア国際空港に到着。パッパと入国して、シャトルでドメスティックのターミナルに移動。
よーこちゃん「ねぇねぇ、STARBUCKSは無いのかなぁ」
 このSTARBUCKSというのはアメリカでは有名なチェーンのコーヒーショップなのだが(最近日本にも進出してるな、でも味も香りも全然違うけど)、前回あたしのSTARBUCKS好きがみんなに影響を与えたみたいで。で、たまたまショップがあったので、ティータイム。急いで、時間も無いので急いで飲んで、国内線に登場。ここから約2時間半で、ダラス/フォートワース空港に着きまする。
「あ、暑い・・・」
 ダラスは暑い。何でもこの時期で、日中は40度を越える事もあると言う。真夏になると、50度を越えるというから、ひええ、タイ好きの自分でもちょっと厳しいかも。しかし、アリゾナの方に行くと、さらに凄い温度になるらしい。アメリカ大陸、恐るべし!!
 ターミナルを抜け、バゲッジ・クレイムへ。だが、ここでひとつ問題があった。
 お迎えが、誰も来ていない(笑)。
 幸い今回はホテルの名前を覚えていたので(笑)、妻が早速電話をする。ところが、ゲストである妻の名前では部屋がとれていないという。うーん、どうしようかなぁ? アメリカ側のエージェントであるクーニーこと木村邦和くん一向が到着するまで、あと二時間。空港で待ってるのも何だし、荷物解いてゆっくりしたいしィ。とにかく、無料送迎のシャトルバスを探し、とりあえずホテルへゴー。
 空港を出た時点で、午後七時前。ところが、まだ太陽は燦々と輝いている。何でもこの時期の日没は、夜九時過ぎらしいのだ。そして、目前に広がる光景といえば・・・ただ平らな風景のみ。空港の敷地内は高いビルなんかなんにもなく、ポツン、ポツンとホテルが建っているくらい。そのホテルにしたってさぁ、大抵はホテルのロゴみたいなのがあるじゃない? そうじゃなくて、単なるプロック体で「HYATT」とかでっかく貼りついてるだけ。
礼ちゃん「なんか、初めて描いた背景みたいやね」
 やがて、到着。フロントで妻が問い合わせてみると、普通は「BANG IPPONGI」となるのを、わざわざ日本風に「IPPONGI BANG」としてリザーブしてた為に、コンピュータのサーチに引っかからなかったらしい、という事実が判明。そのまま部屋に通されましたが・・・ここがなんと、ジュニア・スィート!! カウンターや応接セット、TVも二台あり、そしてキングサイズのダブルベッドがある広い部屋。しかも、どうももう一室、日本のゲストの為に用意してくれてるらしい。つーコトは、ここは夫婦の部屋・・・と思ったのだが、そうなるともう一室に礼ちゃんとよーこちゃんが行く事になってしまう。それは何だから、というコトで、この部屋に妻とよーこちゃん、もう一室に礼ちゃんと自分が行く事になった。ちょっと残念(泣)。



 さあ、あたりもようやく更けてきました。そろそろクーニーたちが到着する時間かな? と思いつつ、一行はダラーッと待ちます。ちょうどTVでWCW(アメリカン・プロレスね)をやってたんで、それを観てたりして。しかし、来ると思われる時間を過ぎてもなかなかやって来ない。一時間、二時間、三時間・・・。いつ来るかわからないから、食事に出る事も出来ないのね。寝る妻、よーこちゃん、だらける自分と礼ちゃん。・・・コンコン。
「みんな来てますぅ? いやぁ、飛行機が思いっきり遅れよりましたわぁ」
 おお、やっとクーニー達が到着した。まずは挨拶を交し、ぶらざーであるスティーブと一ヵ月ぶりの再会。クーニーとスティーブは、仕事の関係で先月日本に来てたのね。そして、クーニー達の会社「IRON CAT」のニューフェイスで、スティーブの実弟のケビンとも再会。でも、ケビンも仕事で、二日前まで日本にいたんだよな。三日前には一緒に酒飲んでたし(笑)。そういえばあの時別れ際に、「あさってテキサスでねー」つって別れたんだっけ(笑)。
 そして、寝てる二人を部屋に置き、クーニーと礼ちゃんと共に今回のコンベンションの主催者・プレジデントのMERIさんのトコにご挨拶に。同じフロアでしたが、こちらはデラックス・スィート!! んで、スィートの両サイドにプライベートルームがあり、この部屋自体は関係者のくつろぎスペースとなるらしい。
 MERIさんを始め、各関係者にないすとぅーみーちゅー、と挨拶。するとケビンとスティーブが気を使ってくれ、いきなり濃いラムコークを持って来てくれた。さらにフと見ると、テーブルの上には料理が・・・それを見た礼ちゃん、身振りで「コレ食べていいの? いいの? 」と近づき、いつの間にか食べ始めた(笑)。ああ、これは妻たちも呼んでやらんと。
 部屋に戻り、ムニャムニャとしてる二人を連れ、再びスィートへ。挨拶をして、礼ちゃんに加わってパクパク。自分はお酒だけで満足だったので、スティーブと、IRONCATのカラーリングをやってるマークと談笑。クーニーが「いかに自分がシャイで内向的な性格か」をいつも言い続けている為、最近は「スィートさん」と呼ばれている等のネタで盛り上がります(笑)。
 その内、もうひとつの部屋も確保してもらい、とりあえず移動。その時にスティーブが、「この後みんなで近くのストリップに行くけど、行かない?」と誘ってくれたが、疲れもあってパス。この日は全員パタッ、と寝たのでした。ホントよ(笑)。



 テキサスの朝は早い。
 でもまあ、ゆっくりと起きてシャワーを浴び、本日は買い物日(笑)。クーニーたちと一部スタッフと連れ立ち、ブランチへと向かうのでした。ところが、午前中からもの凄い暑さで、サングラスも必需品ですねー。そして二台の車に分乗し、ダラス市内へと向かいます。目指すはクーニーお気に入りのバーベキュー屋さん。とりあえずアメリカに来たからには、肉ね。ニクニク。
 ものごっつい量を食べるケビンの横で、細々と食べながらビールを飲む自分(笑)。いやァ、でも美味しかった。それから再び移動し、近くのショッピングモールで両替。夫婦は合わせて2万5千円、礼ちゃんは・・・あー、ねー(笑)。そして、いわゆる町のオモチャ屋さんへ。さあ、皆さんおわかりですね。礼ちゃんのシンクロ率が上がっていきます(笑)。そこでジャブ程度のお土産を買って、移動。次は自分の希望により、怪しい店、いわゆるヘッドショップへ(わかるヒトだけわかってネ)。ここでちこっと買い物をし、大きなチェーンで有名なウォルマートへ。何でも売っているスーパーだと思って下さい。でも、ここがまた群を抜いて大きいので、待ち合わせ場所を決め、それぞれが分散。
 ここで、昨晩の部屋での会話へ。
自分「今回はどれぐらいオモチャ買うの?」
礼ちゃん「さすがに三回目だからね、ようやく買い方がわかったよ。だから、ツボを押さえて買うつもりだから、今回はそんなに買わないと思うよ。でもねぇ・・・」
自分「でも、なに?」
礼ちゃん「今回は丁度ねぇ、GODZILLAがねぇ・・・
 回想終り(笑)。グッズがねぇ、出回ってるんだよねぇ(笑)。さて、まず夫婦が向かったのはファーマシースペース。ここでビタミン剤やら日本では売ってない薬やらをガバッと買い込み、次に自分の希望で下着売り場へ。日本ではいいデザインや色が無いので、来る度にブリーフを買いだめしてるのね。それから一応、お土産用にちょっとだけGODZILLAグッズを買い、飲食品を買ってレジスト。あーあ、礼ちゃん・・・。車、荷物満載(笑)。
 でもまだ買い物は終らない。なんせ礼ちゃんは、「オモチャマン」としてアメリカでは知られており、どれだけ買うものなのか期待されてるみたい(笑)。次に寄ったショッピングモールがこれまた大きくて、一回りするだけで二時間くらいはかかったかなぁ。中にはなんか、スピルバーグがプロデュースしたっていうゲーセンや、密林レストランなんかもあった。早々とこのモールで、夫婦はほとんどお土産買い完了。礼ちゃんは?
礼ちゃん「ん? だってまだトイザラスに行かんと
 と、とりあえず本日はここまで。ホテルに戻り、明日にそなえて早々に寝るのでした…あれ?そうだっけ?いやいや、確か一本木のアメリカの妹分であるエリン・ウィンクラーの部屋に行って、酒飲んで寝たような気がする(笑)。




日中の気温が40度のテキサスでも元気だった着ぐるみと。右から漫画家のおだぎみを、着ぐるみ、一本木、バカ漫画家の加藤礼次朗、自分。
 さあて、いよいよコンベンションが始まるぞ。ゆっくり起きて、一本木達は着替えとメイク。よーこちゃんは着物だし、大変なのね。で、テキトーに時間を合わせ、部屋に向かえに行きます。お、早くもカトーマンにトランスフォームした礼ちゃんは、ディーラーズ・スペースに降りていっちゃったい。
 午前11時。すでに気温は40度に達している。ああ、冷房のあるトコで良かったぁ。用意が出来た二人と下に降りると、早くも漫画家さんたちはサインやら記念写真やらで大変。その合間を縫ってパネル・トークもあるのでさらに大変。あたしは送り迎えと売り子さんに徹しつつ、今夜のライブのリハーサル。ところが予定の時間を過ぎても全然開始のメドが立たず、数時間遅れのリハになったのでした。ああ、アメリカとはいえ、まるで東南アジアのような時間感覚。好きですねー(笑)。
 で、一通りリハを終えて売り子をしてるウチに時間は過ぎ、いよいよオープニング・セレモニーへ。
 さあ、満員のバンケット・ホールでセレモニーはスタート。まずは主催者であるメリさん(たくましい女性)のスピーチから、ゲスト紹介でスタート。
 ところが、ここでハプニングが。なんか、前回というかアメリカのオタク界にというか、貢献したヒトにプレゼントがあると。そこにクーニーとスティーブが順に呼ばれ、なんとステージ上でバーボンの一気という事態になってしまったのだった。あ、ミニサイズの瓶なんだけどね。
 回想。
クーニー「いやぁ、前回やったら評判になってしもたんですわぁ。だから今回も多分やりますわぁ」
あたし「タダ?それタダ?あああ、あたしも飲みたい!」
回想終り。で、あたしにおハチは回ってこなかったのですが、ここに伏線(爆笑)があった。クーニーはお酒を飲むことは飲むが、あたしの10分の一くらいしか飲めない。スティーブにいたっては、ほぼ下戸。その二人が、観衆のノリ重視で飲むとどうなるか? 結果、スティーブは沈黙モードになり、クーニーはそこらの酔っ払いのおっさんモードに(笑)。
 セレモニーは続く。ゲスト紹介のあとは、今回自作アニメ(つまり同人アニメ)としてコンテストにエントリーされてる作品をいくつか紹介。そしたらその内の何本かがくっだらないコメディとかパロディだったんだけど、今まで押し黙っていたスティーブが、椅子から転げ落ちて笑いだした。ああ、漫画みたいな反応、と思いつつ、クーニーもアグラをかいて葉巻を吸っている。周囲の仲間はハラハラ状態。こういう不安定窮まりない状態で、ライブはスタートしたのだった(笑)。



ライブのステージですが、もはやディスコステージとなってしまった。一本木に向かって左側、金色のスーツに身を包んでいるのが加藤礼次朗マン(笑)。

 まずは、この日のためにクーニーが作詞し、あたしが作曲したIRONCATの社歌を流す。みんな、合衆国国家を聞くように起立し、ジオン軍のように手を胸元にかざす(笑)。それから一本木がインして、1曲目の「聖闘士星矢」がスタート。アンコールまで約40分のライブでしたが、クーニーとスティーブは、何故かステージで踊りっぱなし。しかも、可愛いお姉ちゃんを見つけては引きずりあげている。ああ、壊れちゃった。
 アンコールも終え、ステージを降りると、そこには真っ白に燃え尽きたクーニーがへたり込んでいた。完全に、脱水症状だわな(笑)。目は三日後くらいを見ているし、あらら、ホントに壊れちゃった(笑)。


コスプレ大会で。テンちゃんとラムちゃんが並んでいるのが自然に見える。が、テンちゃんデカすぎ(笑)。


おっと、アスカ発見! でもこのヒト、単なるファンではなく、アメリカ版エヴァンのアスカの声を吹き替えた、レッキとした声優さんなのであった。

銭形警部。でもホントは、ルパンの物真似が有名なヒト。なんでも日本の物真似番組に出たコトもあるそうで、リクエストしなくても「ルパ〜ンしゃ〜んせぇ〜い」と真似してくれる。


最初にこの二人がこのカッコで、ロビーでくつろいでるのを発見した時、腰が抜けそうになった(笑)。テンちゃんとけっこう仮面のツーショット。貴重かも(笑)。


最近アメリカでは剣心が流行ってるみたい。男も女もこぞって赤い髪の毛になってます。



一同は一旦部屋へ戻り、それからパーティーをやっているというコンベンション・スィートルーム、略してコン・スィートへ。既に薄暗い照明の中で関係者らが盛り上がっている。当然あたしたちもお酒をもらい、軽食をパクつく。そして、壊れちゃったクーニーはというと…心ここにあらずで虚空を見つめている(笑)。やがて目を閉じ、眠り始めたのを確認してから、ケビンがいたずらを始めた。風船を髪にくくりつけたりして、ヒーヒー笑いながら写真を撮っている。
 で、あらら、クーニーの目が開いた。同時に、そばにいたパツキンのお姉ちゃんの手を握り、再びスヤスヤ。幼児退行かい(笑)。お姉ちゃんも心得たモノで、ママのように優しくあやしたりして(笑)。その中で、クーニーが最も安心して甘えていたのが、アマゾン・ゴッデスの異名をとるお姉ちゃん。彼女が、とにかくデカい!身長は180cmくらいある、ダイナマイトなボディーなのだが、もともとクーニーは大柄な女性が好きらしく、彼女のヒザ枕でスヤスヤと眠る。
 アメリカでブレイクしてる子供のオモチャで、ビーニー・ベイビーという動物の小さなぬいぐるみがあるのだが、この日からクーニーは「クーニー・ベイビー」と呼ばれるようになりましたっと(笑)。



 さて、深夜。宴は続いているが、そろそろお部屋に戻りましょ。妻らはとっくに寝ているはずなので、あたしは眠るクーニーをケビンと部屋に送るコトに。
 横に差すカードキーをタテに差すというお約束のボケをかますクーニーをベットに寝かせ、ちょっと小腹が減っていたあたしは窓際にある大量のカップ麺を持っていくことに。一歩、二歩…ん?何かの気配を感じる。フとベッドの横を見ると、そこには裸の男女が抱きあっている姿が。凍るあたし(笑)。そしたら、男と目があった。彼は口に人さし指をあて、「静かに」というサインを出す。あたしは目を大きく見開きながら、同じく口に指をあて、カップ麺をとるとゆっくり下がる。
 後でわかったのだが、部屋代の無いクーニーらの仲間内のカップルだそうで、この日初めて結ばれたと(笑)。あたしが見た時にはすでにコトは済んでおり(爆笑)。彼女は彼の腕の中でまどろんでいたらしい。ああ、ビックリした。



漫画家さんだけに、必ず絵の入ったサインとなる。腱鞘炎一歩手前。

 二日目。今日は販売に力を入れるぞ。午前中から人でも多く、妻はサインに写真にと大忙し。その中を縫って、パネル・トークやらもしなければならんのだ。そこで、スケジュール表で確認。ん?マーシャルアーツ教室というのがある。これ見にいこうかな、と思ってると、パネラーのトコにあたしの名前がある。なな、なんじゃいコレは(笑)。
 なんでもテキサスの人たち、特にA−KONの人たちは、何か一芸に秀でている人物を評価してくれるのだが、芸を持っているなら見せるのは当然、という風潮もあるらしい。まあ、そんなに人も来ないだろうとタカをくくっていたのだが、20人以上来てしまった。そこでやむなく、こっちでビートルボーグの監督をやってたりするミチ大和というあたしらのお友達に、殺陣教室もやってもらう。それでも時間があまるから、簡単な空手とムエタイの技術の違いや、実戦においての技術などをシドロモドロになって教えてきました。ああ、汗かいた。

一本木といえば、やっぱりこのコスプレでしょうか。コンベンション開催中、とにかくサインと写真撮影の嵐でした。
 そして夜。コスプレ大会も順調に終わり、部屋に戻ろうとした時に秘密の回状が。そう、今日はスティーブの誕生日なのですねー。そこで、関係者で祝ってやろうと。その内容がまた凄くて、近所のストリップ・バーからお姉ちゃんを呼ぶという、アメリカらしい祝い方(笑)。スティーブはあたしと同じく愛妻家だが、お姉ちゃんは大好き。とはいえ浮気は絶対にせず、もっぱら見るだけね。
 予定の時間、ホテルの一室へ行くと、スティーブは目隠しをされ、イスに縛られていた。それらを囲む我々。もちろんスティーブには何も知らされていない。そこへ、パツキンのお姉ちゃんの登場だ。セクシーなホットパンツ姿でスティーブの目の前に立つと、目隠しが取られる。うおお、と喜ぶスティーブだが、身動きは出来ない。お姉ちゃんは、かぶっていたカウボーイハットをスティーブにかぶせ、こう言った。
「ハイ、スティーブ。今から私は踊るけれど、その帽子が落ちたら帰っちゃうからね」
 コクコクうなづくスティーブ。だが、セクシーなポーズで一枚一枚吹くを脱いでいくお姉ちゃんに興奮しないワケがない。ドドーンと見事なバストが放り出された直後、帽子は落ちてしまうのだった。
 スティーブを祝う会、終了。でも、すっかり感激したスティーブは、一人一人に熱い握手と、感謝の言葉を述べたのでした。
 翌日。なんとか最終セールも終わり、スタッフの打ち上げに参加、なんとバス一台をチャーターして、小一時間かけてダウンタウン近くのステーキ屋へ。ところがコレが、いわゆるアメリカのステーキ屋ではなく、日本式のグリル。あの、鉄板でチャンチャンと焼いてくれるヤツね。もちろんお金はコンベンション持ちなので、存分に満喫。クーニーったら、タダだというライスをバカバカ食べてたなぁぁ(笑)。
 さて、その翌日は、妻の体調が崩れてなんとなく部屋で過ごす。よーこちゃんも残って、外に出たのはオモチャマンのみ。「GODZILA」を観てきたそうだが、52点とのコト。そして毎回恒例のパッキング地獄が始まります。
 明けて、帰国日。あああ、この瞬間が嫌なんだよう、現実に戻るから(笑)。スティーブらは一日早くヴァージニアに帰ったが、クーニーは自分たちに合わせてくれた。そしてダラス/フォートワース空港でウロウロし、日中からビールを飲んで帰途につく。礼ちゃん、荷物が制限重量オーバー(笑)。
 結論。テキサスは暑いのを除けばすっげー楽しいトコでした。あたしもタイ等で暑いのは慣れてるが、あまりも乾燥していて大変そう。最も、ほとんどホテルの中で過ごせたからいいけどね。
 で、夫婦は二人になった帰りのバスとタクシーの中で、またも本日の夕食について話し合うのでした。ああ、10月は再びアメリカだ(笑)。

どっとはらい。

 全てのアメリカの友人とファン、よーこちゃんと礼ちゃん、妻に愛を込めて「お疲れ様」。

(写真協力:Mr.Kevin Lillard)


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