−第7話−

 さて、次の日。午前7時には目が覚めちったい。
 今日はみんなでユニバーサル・スタジオに行く予定なのですが、集合は9時半。まだまだ時間があるので、妻と二人でトコトコ歩き、バーガーキングでモーニングを食べました。
 んでモーテルに帰ると礼ちゃんとたっちゃんも起きたみたいで、二人を再びバーガーキングに案内しつつ、よーこちゃんたちにテイクアウト朝食を持っていく。そうこうする内にあらかじめ頼んでおいたタクシーが来て、二台に分乗していざゆかん。

 約10分ほどで、到着。
 あらら、なんか団体客、しかも日本人が多い。こら早くチケット買わんと、と思ってたら、一人足りない。
 たっちゃんがいない。
 探しにいく礼ちゃん。
「でも、いつもいなくなっても、また知らない間に現われるんだよね」
 ぬぼぼぼぼ。
 おお現われた。なんでもユニバーサルのロゴ入りフィルムを買っていたらしい。
 さて、チケットを買いに並んだのですが、みんなはノーマルのチケット、自分ら夫婦はちょい高めの年間フリーパスを買うことにしました。これ、自分の顔写真が入るプラスチック製のパスカードで、記念にもなるでしょ、と購入を決意したのでした。
 さあ、入場。まだ混みあってないけど、こういうところでは人気のアトラクションからこなすのが鉄則。ズンズンと進み、まずは「バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド」へ。前に来た時、これが一番面白かったもんね。
 内容は、省略(笑)。やっぱり実際に体験したほうがいいと思うし。で、終って出る時、礼ちゃんが目頭を拭っている。ど、どうしたの?
「…いやあ、感動した。やっぱりアレだね、こういうエンターテイメントに関して、日本はアメリカに太刀打ちできないね。ああ、来てよかったなああ」
 それから「ジュラシック・パーク」やら「ET」やらを回る。それぞれのアトラクションの近くにはそれぞれのショップがあるので、それも見つつブラブラ。そしてもうひとつの超人気イベントである「ウォーターワールド」を観てズブ濡れになる(笑)。
「アトラクションは最高に面白いよね、映画と違って(笑)」(礼ちゃん)

 その後昼食、トラムに乗ってのスタジオ見学などてアッという間に時間は過ぎ、もう夕方。ほとんどのアトラクションもこなしたので、スタジオ横にあるユニバーサルのモールへ行き、お買い物。
 ここでまず、タコちゃんがひっかかった。タコちゃんは何を隠そう大のスター・トレックファン、いわゆるトレッカーなのだが、映画のスターとの記念合成写真のお店があったのだ。
 それも非常にクオリティの高いもので、360度から撮影出来るオートムービングカメラはあるし、写る本人はちゃんと本物の衣装を着るし、合成するのはフォトショップみたいなのだし。
 ああ、タコちゃんがフラフラしつつ「ピカード様…」と口走っている(笑)。
 で、ハイクオリティだけに多少時間がかかるらしく、その間にみんな三々五々散る。礼ちゃんは当然、おもちゃね(笑)。たっちゃんとよーこちゃんは不明、自分と妻は適当にプラプラしつつ、ハードロック・カフェでビールを飲む。


 集合時間、集合場所。ちゃんと着たのは礼ちゃんと、ウチら夫婦のみ。やむなくみんなを探しつつ、ようやく帰途につく。他のみんなは、それなりにいろんなモノを買ってたなぁ。
 一旦モーテルに戻り、再びハリウッド大通りへ。ここで、二手に別れます。妻、よーこちゃん、礼ちゃん組と、自分、タコちゃん組。
 たっちゃんは? えっと、どうやら近所にあるコインランドリーへ洗濯しに行ったみたい。明日帰るのに(笑)。
 で、たっちゃんとはバク然と会う約束をします。

 妻たちは、昨日は遅くて閉まっていたんだけれど、何故かカツラとレアおもちゃ(笑)が一緒の店へ。で、実はこれも昨日礼ちゃんが発見してたんだけど、チャイニーズ・シアターの近くのギャラクシーというシアターのミュージアムて、何やらスター・トレック展をやっていると。で、タコちゃんはそこに行きたい。自分はカツラもおもちゃも興味が無いので、最低限の通訳と危険防止でタコちゃんについていくコトにしたのでした。
 ところが、である。ミュージアムはとっくにクローズしていたのね(笑)。仕方がないから、これまた昨日タコちゃんが気にしていたアダルト・ショップに行って(笑)、再び美少年ビデオを探す。店内には何人かの野郎がモーホビデオを鋭い目で物色しており、タコちゃんは「ああ、あの方もそういう方なのですね」と妙に感心していました(笑)。

 買うモン買って、妻たちと合流。つい先ほどまで赤く染まっていた妻の髪は、綺麗なストローブロンドになっていたのだった(笑)。
 そのお店は、パーティーグッズ屋さんというよりも、映画の小道具、プロップ屋さんといった感じ。で、それぞれの品数がもの凄い。カツラのブースには専門のヘアメイクさんがいて、よーこちゃんやタコちゃんにも「どれかつけてみたいのない?」と言ってくれてます。早速挑戦する二人。そうこうしてる内に、この二人もすっかりカツラの魅力にとりつかれ、それぞれひとつづつ購入(笑)。あ、礼ちゃんはここでは大きいモノは買わなかったみたい(笑)。

 アメリカ最後の買い物を満喫した一行は、ちょっと変わったミュージアムに行く事にしました。
 昔、アメリカの新聞で「Beleave or not?」つまり「信じるか、信じないか」という連載があって、一人の記者が世界各国をまわって、信じられないモノを発掘するという企画があったんですが、それで集めたモノを一挙に展示してあるミュージアムなのね。たとえば、全身に毛の生えた魚とか、幻覚発生装置だとか、眉ツバもののオンパレード。ここを一番満喫したのは…やっぱり礼ちゃんかな(笑)。
「いやぁ、来て良かったなぁ!!やっぱり、こういう旅をせんとねぇ」
 あー、ねー(笑)。
 で、そこで充分怪しさを味わって、夕食はモーテル近くにあったタイ料理屋へ。
 英語はもちろん、ちゃんとタイ語も通じて良かったけど、ここのタイ料理がHOTと頼んでも、辛さの基準がアメリカの基準になっちゃってるんで、全然ダメ。中でも辛いモノ好きで、昨年タイに訪れた事のある妻とよーこちゃんはヘキエキしてました。自分もだけど。


 翌日早朝。いよいよ日本へ帰る日です。
 ロビーに集合すると、なんと礼ちゃんたちの部屋で昨夜トラブルがあったという。どーしたの?
「トイレに鍵がかかっちゃって、入れなくなっちゃった。仕方ないから外で立ちションしてたよ」
 ウチの部屋来りゃいいのに(笑)。まあ、泥棒が入ったとかでなくて良かったネー。
 おっと、今午前8時過ぎ。この間のドライバーは8時50分に来るって言ってたな…と、もう来ちゃった!! どうも、スペイン語なまりがキツ過ぎて、自分がフィフティーンとフィフティーを判別出来なかったようだ。皆さん、すみません。
 でも、既にみんな用意は出来ていたので、そのまま無事に空港に向かって出発しました。
 ロスアンゼルス国際空港・通称LAX。
 この日、ノースウエストのカウンターはイモ洗い状態であった。考えてみれば、今ロス往復って安いツアーがいっぱいあるし、卒業旅行シーズンだもんね。
 そのまま待つ事数十分。
 ようやくチェックインし(礼ちゃんの荷物のひとつが重量オーバーしたりしたが)、早々にゲートへ。ここで再びみんなバラけて、朝食をとる者、お土産を買い足す者、ビールを飲む者(笑)。
 テキトーに時間を潰し、機内へ乗り込む。あああ、やっぱり混んでるよう。まあ、喫煙席がとれたから、それだけでいいとするか。
 ぐおお、とNW01便はテイクオフする。
 さらばアメリカ、さ来月まで(笑)。
 機内ではまたテキトーに酒飲んで、なんか思ったより早く日本に到着。全員無事に入国審査、税関を終え、リムジン乗り場前で解散。でも、遠足は家に帰るまでが遠足ですからね。気をつけて帰りましょう(笑)。


 箱崎までのリムジンには、妻と自分のみ。車内で夫婦が語り合ったのは、今回の旅行の思い出ではなく、「夕食は駅前のラーメン屋にするか、鮒忠にするか?」というコトなのでした(笑)。
 どっとはらい(笑)。


 アメリカの全ての友人と、日本の愉快な友人に感謝を、そして妻に愛を込めて。

End.


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